ダイエットと聞くと、まず
「カロリーを減らす」
「糖質を抜く」
といった方法を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?
しかし実際にボディメイクの現場でクライアントを指導しているとただ食事量を減らすだけでは体重は減ったけど体型がかわらない、変わらないだけならまだマシで、頑張って努力したのに鏡に映る自分の姿、お尻や頬が下がった感じがする・・・
その原因は体重筋肉まで落ちて代謝が下がり、思うように痩せられない体質になってしまっているからです。
でななぜそのような体質になってしまったのか?
それは・・・
「たんぱく質の摂取不足」
高たんぱく食は筋肉を維持しながら脂肪を効率よく減らすための強力な栄養素。
ですが・・・
「どの食材を、どれくらい、どう食べるか」を間違えてしまうと腎臓や消化器への負担、栄養バランスの崩れといったデメリットが生じることがあります。
この記事では、高たんぱく食のメリットと注意点、そして実践のコツ をわかりやすく解説します。
「食べながら健康的に痩せたい」
「リバウンドしない体を作りたい」
と思う方に参考になる記事になっています。
高たんぱく食のメリット・デメリットをパーソナルトレーナーが徹底解説
高タンパク食のメリット
1. 筋肉を維持しながら脂肪を減らせる
体重を落とすだけのダイエットは期間中、摂取カロリーが極端に不足してしまう事があります。
そると、足りないエネルギーを補うために体の筋肉を分解してエネルギーを作ろうとします。
筋肉が落ちると基礎代謝が低下してしまい、結果的に
「痩せにくい体」
に変わってしまうのです。
なのでダイエットをするときは食事制限を意識しつつも十分なたんぱく質を摂取が必要です。
タンパク質を摂取することは筋肉の分解を防ぐ効果があり、筋肉量を保ちながら脂肪を優先的に燃焼させることが可能になります。
筋肉量の多さこそが「痩せやすく太りにくい体質」への第一歩です。
筋トレと高たんぱく食を意識することで筋トレによってつくったボディーラインを維持しながら脂肪を効率よく落とせる体質へと変化していきます。
2. 強い満腹感で食べすぎ防止
たんぱく質は消化吸収に時間がかかるため腹持ちが良いのが特徴です。
炭水化物中心の食事だと血糖値が急上昇するため満腹感を感じやすいですが、その後インスリンの作用で血糖値が急降下してしまい空腹感を感じやすくなります。
それと比べ、たんぱく質を多く含む食事は血糖値を安定させることで満腹感を長時間キープしてくれます。
その結果、仕事や家事の合間の休憩時や食後のお菓子など、普段何気なく口に運んでいた間食が減ることで総摂取カロリーが減る事で自然と体重は減っていきます。
「ダイエット中なのについ間食してしまう…」
という方はタンパク質多めの食事にしてみてください!
クライアントの中には
「朝食にゆで卵やギリシャヨーグルトを加えただけで間食が減った」
という方も多くいらっしゃいます。
3. 食事誘発性熱産生(DIT)が高い
食べたものを消化・吸収・代謝する過程でもエネルギーは使われます。これを
「食事誘発性熱産生(DIT)」
と呼びます。
【栄養素ごとのDIT】
- 炭水化物:約5〜10%
- 脂質:約0〜3%
- たんぱく質:約20〜30%
つまり、同じ100kcalを食べても、炭水化物や脂質よりたんぱく質を摂った方が消費カロリーが多いということ。
「食べながらカロリー消費を増やせる」点で、高たんぱく食はダイエットに有利です。
4. 体の機能を整える
たんぱく質は筋肉の材料になるだけではありません。
- 髪・肌・爪の主要成分
- ホルモンや酵素の材料
- 免疫細胞や血液の構成要素
といった形で、体のあらゆる機能を支えています。
そのため、栄養の偏った食事制限のみのダイエットによりたんぱく質が不足すると「髪がパサつく」「肌荒れしやすい」「疲れやすい」「生理不順」といったトラブルにつながります。
逆に高たんぱく食を適切に取り入れれば、ダイエットしながら美容と健康も同時に整える ことができるのです。
ここまでは高タンパク質食のメリットを紹介してきました。
高たんぱく食は
- 「筋肉を守る」
- 「食欲を安定させる」
- 「カロリー消費を高める」
- 「美容や健康を支える」
という4つの大きなメリットがあります。
単に「痩せるため」だけでなく、リバウンドを防ぎ、長期的に健康的な体を作るためにも欠かせない栄養戦略です。
高たんぱく食はメリットが多い反面、「摂り方を間違えると健康を損なうリスク」もあります。
トレーナーとしての専門性を踏まえて、クライアントさんに分かりやすくデメリットをまとめました。
高たんぱく食のデメリット注意すべき落とし穴
ここまでは、理想のスタイルを目指しながらのダイエットするために高タンパク質食を取り入れましょう!
という話をしてきましたが、やはり高タンパク質食材も取り過ぎはいけません。
「摂り方を間違えると健康を損なうリスクもある」
ということを理解して上手に取り入れましょう!
1. 腎臓や肝臓への負担
たんぱく質を分解するときにはアンモニアや尿素などの老廃物が発生します。
これらを処理するのは腎臓や肝臓。過剰にたんぱく質を摂取すると、処理機能に大きな負担がかかります。
腎臓が弱い方や糖尿病を持つ方 → 腎機能の低下を招く恐れ
健康な方でも「極端な高たんぱく食」を続けると、疲労感や倦怠感につながることがある
目安として体重1kgあたり1.5〜2.0g程度 にとどめるのが安心です。
2. 消化器トラブル(便秘・下痢・お腹の張り)
筋肉の維持、向上を目的に重きを置いてたんぱく質の摂取を意識しすぎると、野菜や穀物などから摂れる食物繊維が不足しがちになります。
その結果、腸内環境が乱れ:
- 便秘
- お腹の張り
- 下痢
といったトラブルを引き起こすこともあります。
特にプロテインを多用している方は「たんぱく質は十分だけど野菜が不足」というケースが多く、腸内環境の悪化に注意が必要です。
3. 栄養バランスの崩れ
「高たんぱく=肉や卵ばかり」という食事は、脂質やコレステロールの摂りすぎにつながりやすいです。
また、糖質を極端に減らしてしまうと:
- エネルギー不足による集中力低下
- 筋トレ中に力が出ない
- リバウンドのリスク増大
といった問題も起こりやすくなります。
「たんぱく質:炭水化物:脂質」を PFCバランスで考えることがダイエット成功のカギです。
4. 脱水のリスク
たんぱく質を代謝する際には尿として排泄される窒素量が増えます。
そのため水分不足の状態で高たんぱく食を続けると、 脱水症状 や 腎臓への負担増大 に直結します。
高たんぱく食を実践する際は、 こまめな水分補給(1.5〜2L/日を目安) が必須です。
5. 食費の増加・継続性の難しさ
鶏胸肉・魚・卵・大豆製品などを中心にすると比較的コストは抑えられますが、それでも「高たんぱくを意識し続ける」ことは食費や手間の負担になりがちです。
無理のある食事管理は途中で挫折やリバウンドにつながるので、自分の生活に合った持続可能な方法 を見つけることが重要です。
ここまで高タンパク質食のデメリットについて紹介してきました。
高たんぱく食は、筋肉を守りながら脂肪を落とせる強力な武器ですが、摂りすぎや偏りは 腎臓への負担や消化不良、栄養バランスの崩れを招きます。
「適正量を守り、野菜・炭水化物・脂質と組み合わせる」ことが、ダイエットと健康を両立するためのポイントです。
高たんぱく食を取り入れるポイント
ここまでは高タンパク質食のメリット、デメリットについてについて解説してきましたが、ここからは実際にどのくらいの量をどのように摂取したらよいのかを具体的に解説していきます。
摂取量の目安
- 一般的なダイエット中の方:体重 × 1.2〜1.6 g/日
- 筋トレを行っている方:体重 × 1.6〜2.0 g/日
例:体重60kgの方 → 72〜120gが1日の目安。
1食あたり「手のひらサイズの肉や魚」+「卵や大豆食品」を組み合わせると自然に達成しやすいです。
✅ おすすめ食材と実際の量の目安
- 鶏胸肉・ささみ:100gで約20gのたんぱく質
- 白身魚・鮭・マグロ:100gで約20g前後
- 卵:1個で約6g
- 豆腐(150g):約10g
- 納豆(1パック):約8g
- ギリシャヨーグルト(100g):約10g
- プロテインパウダー:1杯で約20g
たとえば
朝:卵+納豆、
昼:鶏胸肉
夜:魚+豆腐、副食にヨーグルトやプロテイン
と組み合わせれば、自然と100g前後のたんぱく質を摂れます。
✅ バランスを意識する
たんぱく質ばかりに偏らず、必ず炭水化物・脂質・食物繊維を組み合わせましょう。
炭水化物:玄米、オートミール、さつまいも(低GI)
脂質:アボカド、ナッツ、オリーブオイル(良質な脂質)
食物繊維:野菜、海藻、きのこ
例:鶏胸肉+玄米+ブロッコリー+オリーブオイル少量
こうした組み合わせなら血糖値の安定や腸内環境改善にもつながります。
✅ 調理法の工夫
- 揚げ物 → 蒸す・焼く・茹でるに変更
- 味付け → 塩コショウ+レモン、ハーブ、ポン酢などでシンプルに
- 下味冷凍(鶏胸肉をハーブや生姜で漬けて冷凍)を活用すれば、忙しい日もすぐ調理可能
「続けられる工夫」が大事。
高タンパク質の食材をおいしく食べようとするとカロリーが高くなりがちです。
毎日揚げ物や濃い味付けでは、せっかく高たんぱく食を取っているのに体重が増加してしまっては本末転倒です。
✅ 1日のモデルメニュー例
- 朝食:卵2個+納豆+ご飯100g+味噌汁(豆腐・わかめ入り)
- 昼食:鶏胸肉150g+玄米150g+ブロッコリー・きのこ炒め
- 間食:ギリシャヨーグルト+ナッツ少量 or プロテイン1杯
- 夕食:鮭150g+豆腐+野菜たっぷりサラダ+オリーブオイル少量
このようにすれば「体重60kgの方でも1日100g前後のたんぱく質」を無理なく摂取可能です。
高たんぱく質摂取のまとめ
高たんぱく食は、筋肉を守りながら脂肪を落とすための強力なサポートですが、摂取量・バランス・調理法・継続性 の4つを意識することが成功のカギです。
【たんぱく質を摂取する際のポイント】
- 体重に合わせた適切な量を摂る
- 炭水化物・脂質・食物繊維と組み合わせる
- シンプル調理で無理なく続ける
これらの方法は目安です。できる範囲から無理なく取り入れることで、ただ痩せるだけでなく「健康的に引き締まった体」を手に入れることができます。