ダイエットに食事制限だけでなく筋トレが必要な理由

ダイエットをしようと考えた際に多くの方は食事制限をしようとします。

確かに短期的に体重減少はしますが、健康的に痩せることは難しいのです。

特に極端な糖質制限やカロリー制限を続けることで脂肪と一緒に筋肉量が減少してしまい基礎代謝が下がります。

つまり、

「リバウンドしやすい体」

になってしまうのです。

パーソナルトレーナーとして多くの方の指導をしていると、食事制限だけで痩せた方の多くが

「体重は減ったのに体型は締まっていない」
「肌ツヤが悪く疲れやすい」

といった悩みを抱えているケースをよく目にします。
これは、筋肉量が減ったことで代謝が落ち、体のラインを作る土台が失われているためです。

逆に、筋トレを組み合わせたダイエットでは体重の減り方はゆるやかでも

「引き締まった体」
「疲れにくい体質」
「リバウンドしにくい体質」

が身につきます。
つまり、ダイエットに筋トレを取り入れるという事は単なる体重減少ではなく内側からハリをもたらし健康的は理想の体型づくりのために欠かせない要素なのです。

この記事では、なぜ食事制限だけでなく筋トレを取り入れることがダイエット成功に不可欠な理由を、専門家の視点から詳しく解説していきます。

なぜ食事制限だけのダイエットは失敗しやすいのか?

1. 筋肉量の減少で基礎代謝が下がる

食事制限でカロリーを大幅に減らすと、体は飢餓状態と判断してエネルギーを節約する省エネモードに切り替わります。

すると脂肪だけでなく、筋肉も分解してエネルギー源として利用し始めるのです。

筋肉は動かなくてもカロリーを消費してくれる「基礎代謝の主役」なので、減ってしまうと一日の消費エネルギーが大きく下がります。

つまり、元々筋肉量が少ない人や、食事制限のみのダイエットで筋肉量が減ってしまった人は同じ食事量を摂っても太りやすく、痩せにくい体質に変わってしまうのです。

これは「リバウンドしやすい人」の典型的な特徴でもあります。

2. 栄養不足による疲労感・肌荒れ

食べなければ痩せると思って食事を減らしたり抜いたりすることは栄養を削ってしまうとでもあります。

すると、体はエネルギー不足だけでなく栄養不足になってしまいます。

特に不足しやすいのは、筋肉や肌の材料となるタンパク質、代謝を助けるビタミン・ミネラルです。

その結果として、

  • 疲れやすく集中力が続かない
  • 髪や肌が乾燥し、ツヤがなくなる
  • 便秘になりやすい
  • 生理不順などホルモンバランスの乱れ

といった不調が現れやすくなります。

健康を犠牲にしてまで体重を減らすダイエットは、長期的には続けられないどころか体を壊してしまう危険性があるのです。

3. 体重は減っても「体型」は変わらない

食事制限のみのダイエットではタンパク質の摂取不足により筋肉が落ちて脂肪が残ったまま数字の上では体重が減っても見た目は引き締まらず、むしろ「やつれて不健康そう」に見えてしまうケースが多いです。

特に多い体型の特徴は、

  • お腹だけぽっこり残る
  • 二の腕や太ももがたるむ
  • ヒップラインが下がる

といった体型の崩れです。

これらの特徴は脂肪によって張りを出していた体に対して筋肉が不足していることによって起こります。

見た目を美しく保ちながら健康的に痩せるには、筋肉の維持、増加をしながら脂肪を減らすことが欠かせません。

ダイエットに筋トレが必要な理由

1. 筋肉が基礎代謝を支え、脂肪燃焼を助ける

筋肉は、私たちが安静にしていても常にエネルギーを消費しています。これは「基礎代謝」と呼ばれるもので、一日の総消費カロリーの約60〜70%を占めています。

例えば、同じ身長・体重の人でも筋肉量が多い人の方が「一日の消費カロリー」が高くなり、太りにくく痩せやすい体になります。

食事制限だけのダイエットでは、脂肪と一緒に筋肉も落ちてしまいますが、筋トレを取り入れることで筋肉の減少から守り、基礎代謝を維持することができます。

これにより、

「食べても太りにくく、脂肪が燃えやすい体質」

へと変えていけるのです。

2. 筋トレでリバウンドしにくい体になる

ダイエットで一番多い失敗が

「リバウンド」

です。

これは、食事制限で落とした体重減少に満足して筋肉量が回復しないまま以前の食生活に戻してしまう事が原因です。

筋肉が減って基礎代謝が落ちている状態では、以前と同じ量を食べても消費できず、すぐに脂肪がついてしまいます。

そもそも以前の食事が食べ過ぎだった場合、以前の体重より増えてしまう場合もあります。

しかし、筋トレの習慣が身につくと筋肉量が増えて基礎代謝が上が上がっている為、食事制限を終えた後も

「以前より太りにくい体」

になっています。

特に女性は冷え性などにより基礎代謝が低くなっている方も多く

「食べるとすぐ太る体質」は、筋トレによる基礎代謝の向上で改善されるケースが非常に多いのです。

3. 見た目が引き締まり「痩せたね!」と実感されやすい

多くの方がダイエットは体重を落とすことと思いがちですが、本当に大切なのは体脂肪を減らし、筋肉を残すことです。
筋トレを取り入れると、脂肪は減りつつ筋肉が引き締まるため、同じ体重でも食事制限のみのダイエットと比べてボディラインが大きく変わります。

【筋トレをで変わる体の変化】

  • 二の腕が引き締まる
    → ノースリーブが似合う
  • お腹まわりがすっきり
    → ウエストにくびれが出る
  • ヒップアップ
    → 足が長く見える

体重はそこまで変わらなくても、「痩せた?」「若返ったね!」と周囲から言われやすくなるのはこのためです。

筋トレは

  1. 「基礎代謝を上げる」
  2. 「リバウンドを防ぐ」
  3. 「見た目を美しくする」

という3つの大きな効果があります。
単なる減量ではなく、健康的で美しい体を目指すなら、食事制限と筋トレの両立が必須です。

筋トレがもたらすプラスの効果

1. 姿勢改善で体が美しく見える

筋トレというと筋肉が大きくなってムキムキになるイメージが強いですが、心配しなくても大丈夫!

そこまでになるには高重量でかなり追い込まないとなりません。

適度な筋トレは姿勢改善に大きな効果があります。

特にデスクワーク中心の生活では、猫背・巻き肩・反り腰になりやすく、これが

「ぽっこりお腹」
「スタイルが悪く見える」

原因になっています。

筋トレで体幹(腹筋・背筋・お尻まわりの筋肉)を鍛えることで、骨盤や背骨の位置が整い、自然と正しい姿勢をキープできるようになります。

パーソナルトレーニングの現場でも筋トレを取り入れたダイエット法は

「体重は変わっていないのに、周りから痩せたねっていわれます」

クライアントさんは不思議そうに質問されますが、

筋肉は脂肪の約3倍ありますので当然の結果です。

なので、

「体重が減らない」

と数字ばかり気にしすぎるとダイエットに失敗してしまうのです。

2. 成長ホルモン分泌によるアンチエイジング効果

筋トレを行うと、体は筋肉にかかった負荷を修復するために「成長ホルモン」を分泌します。
この成長ホルモンには以下のような働きがあります。

  • 脂肪の分解を促す
  • 筋肉や皮膚の修復をサポートする
  • 肌のハリ・弾力を保つ

つまり、筋トレは「ダイエット」と「美容」を同時に叶えるアプローチなんです。

特に30代以降は成長ホルモンの分泌が減少しやすいので、筋トレを習慣にすることでアンチエイジング効果が期待できます。

実際、パーソナルトレーニングを続ける女性のお客様からは

「肌ツヤが良くなった」
「実年齢より若く見られるようになった」

といった声も多く聞かれます。

3. ストレス解消・睡眠の質改善にもつながる

筋トレはメンタル面にも非常に良い影響を与えます。

運動によって「セロトニン」「ドーパミン」といった脳内ホルモンが分泌され、ストレス解消や気分の安定につながります。

さらに、適度に体を動かすことで体温のリズムが整い夜に深い睡眠を得やすくなります。

睡眠の質が改善すると、翌日の疲労回復やホルモンバランス、食欲コントロールにも好循環が生まれます。

パーソナルトレーナーの経験上、睡眠の質が良くなることで間食が減ったり仕事中の集中力が上がったといった生活全体の改善につながるケースはとても多いです。

筋トレは「痩せるための手段」だけではなく、

  • 姿勢が整って見た目が美しくなる
  • 成長ホルモンで若々しさを維持できる
  • ストレスや睡眠にも良い影響を与える

といった、人生の質を高める効果があるのです。

食事制限と筋トレを両立させるポイント

1. 極端な糖質制限は避ける

糖質は太る原因と思われがちですが、糖質は脳や筋肉にとって大切なエネルギー源です。

特に筋トレを行う場合エネルギーが不足していると力も集中力も高まらない為、十分なトレーニング効果を得られません。

パーソナルトレーナーとしての経験から言えば、糖質を完全にカットしてしまうと以下のような不調が起こりやすいです

  • 集中力の低下
  • 筋肉の分解が進みやすい
  • 疲労感や倦怠感が強まる

そのため、糖質は

「量と質」

を意識することが大切です。

例えば、白米やパンなど精製された糖質を減らし、玄米やオートミール、さつまいもといった低GI食品を取り入れることで、血糖値の急上昇を防ぎつつ持続的にエネルギーを供給できます。

2. タンパク質をしっかり摂る

筋トレを一生懸命頑張っても、栄養が不足していれば思うように筋肉はつきません。

特に重要なのがタンパク質です。

タンパク質は筋肉の材料になるだけでなく、代謝酵素やホルモンの原料にもなります。

一般的には体重1kgあたり1.2〜1.6g のタンパク質を目安に摂取するのがおすすめです(例:体重60kgの方なら約70〜90g)。

お肉による動物性たんぱく質に偏らず、卵や納豆、プロテインシェイクやギリシャヨーグルトなどの食材からバランスよくタンパク質を摂取してください。

実際にクライアントを指導するときも、まず

「タンパク質を抜かさないこと」

を徹底していただくだけで、筋肉量の維持・代謝アップ・食欲コントロールがしやすくなります。

3. 筋トレ初心者は大筋群から

ダイエットを考えた際に初心者の方はつい下っ腹を凹ませたいと考えた時に腹筋運動など小さな部位を狙ったトレーニングを選びがちです。

これから色んなトレーニングを行う際に腹筋は確かに大事なトレーニングなのですが、効率的に痩せたいならまず

身体の大きな筋肉、太ももやお尻、胸、背中を鍛えることが重要です。

【初心者必見おすすめトレーニング】

  • スクワット
    下半身全体+体幹を使う王道トレーニング
  • 腕立て伏せ(プッシュアップ)
    胸・肩・二の腕を鍛えつつ代謝アップ
  • プランク
    体幹を安定させ、姿勢改善にも効果的

パーソナルトレーナーとして指導する際にやりがちなのが

「やってるつもりで効いてない」方が多い印象をうけます。
「少ない回数で正しいフォームの習得」から始めることで経過とともに圧倒的に効果に差が出ます。

身体の反動を使わないと上がらないような重さでやったつもりになるよりも、軽めの重さで動きを意識し20回を目安に、姿勢や呼吸を意識してじっくり行うことで、怪我を防ぎながら効率よく筋肉を鍛える事につながります。

まとめ|ダイエット成功のカギは「食事+筋トレ」の両立

ダイエットで大切なのはただ体重を減らすことではなく、脂肪を落とし健康的なボディーラインや姿勢をつくリバウンドしにくい体をつくることです。

食事制限だけで痩せようとすると、

【食事制限のみダイエットのデメリット】

  • 筋肉量の減少や代謝低下
  • 老けて見られる
  • 疲れやすさ
  • 肌荒れ
  • リバウンド

といったデメリットを招いてしまいます。

一方で、筋トレを取り入れることで、

 

【食事制限と筋トレを併用することのメリット】

  • 筋肉を維持・増加させて基礎代謝を高める
  • 見た目を引き締めて「痩せた」と実感できる体をつくる
  • 健康や美容面でもプラスの効果を得られる

といった多くのメリットが得られます。

つまり、ダイエット成功のカギは

「食事の正常化と筋トレを継続すること」

極端な制限ではなく、バランスの取れた食事と筋肉を動かす習慣が、あなたの理想の体型と健康を守る一番の近道です。