「最近、気づいたら体重が増えていた・・・」
「若い時と同じダイエット法をおこなっているのに痩せない・・・」
そんな経験はありませんか?
特に30代後半に徐々に気にりはじめ、40代に入ると20代から30代前半のころと同じ食事量や生活リズムでも体重が増えやすくなります。
これは気のせいでもなければ単なる食べすぎや運動不足だけが原因ではなく、基礎代謝の低下やホルモンバランスの変化、ストレスに睡眠不足といった複数の要素が影響しているのです。
多くの方がとにかく食事を減らそうとか運動をがんばろうとダイエットを始めますが、その体重が増えてしまった原因を正しく理解しないまま初めても効果が出にくく、途中で挫折してしまうことが少なくありません。
大切なのは、
「なぜ自分が太ってしまったのかを知ること。」
その理由を理解することで、
「だから私は痩せにくかったんだ」
と納得することができで、その原因に対して対策していくので無理なく改善していく事ができるようになります。
この記事では、パーソナルトレーナーの視点から体重増加につながる代表的な10の原因についてをわかりやすく解説していきます。
読み進めることで、生活習慣のどこに太る原因があるのかに気づき、ダイエットを成功へ導くヒントが見つかるはずです。
日々忙しい女性が太ってしまう10の習慣
1. エネルギーバランスの乱れ
ダイエットや体重管理の基本は、非常にシンプルで 「摂取カロリーと消費カロリーのバランス」 です。
- 摂取カロリー
⇒食事や飲み物から体に取り込むエネルギー - 消費カロリー
⇒基礎代謝・生活活動・運動で使うエネルギー
体重が増えるのは摂取カロリーより消費カロリーが少なかった場合に余分なエネルギーが脂肪として体に蓄えられるからです。
とてもシンプルなものです。
2. 食習慣の変化による影響
体重が増えてしまう背景には消費カロリーと摂取カロリーの差だけでなく、食べ方そのものも深く関わっています。
つまり、何をどれだけ食べるかだけでなく
「いつ・どんな状況で・どんなスピードで食べるか」
が体脂肪の蓄積に影響を与えるのです。
例えば、
- 夕食はなるべく20時まで済ませる
どうしても遅くなる場合は糖質・脂質は控えめ、スープやサラダ中心 - 飲み会のある日は前後の食事で調整
お付き合いで食べ飲みしてカロリーオーバーの時はその日の昼と良く朝の食事を控えめに - 高カロリーの組み合わせを避ける
揚げ物+白米ではなく、焼き魚+玄米+野菜の組み合わせ - 食べるときは食事に集中
スマホやテレビの「ながら食べ」は食べ過ぎの元 - 一口30回を目安に噛む
咀嚼回数を増やすと満腹感の向上による食べ過ぎ防止、消化されやすく脂肪になりにくい
3. 運動不足による筋肉量の低下
筋肉は関節や臓器を動かす働きをするという事は当然ご存じだとは思いますが、実は体が消費するエネルギーとなる基礎代謝は筋肉によって決まります。
なので、筋肉量が減ると基礎代謝が下がり、
「以前と同じ食事量でも太った」
という現象が起こります。
筋肉量が減るとどうなる?
- 基礎代謝が低下する
筋肉は安静時でもエネルギーを消費します。
筋肉量が1kg減ると、1日あたり約30〜50kcalの消費が減ります。
365日、1年間で1.5〜2.5kgの体脂肪に換算されるほど大きな差になります。 - 脂肪がつきやすくなる
筋肉が減ると糖や脂肪を処理する代謝能力が落ち、余分なエネルギーが脂肪として蓄積されやすくなります。
特に内臓脂肪は代謝が悪化と共に目立ってきます。 - 姿勢や血流にも悪影響
筋肉は姿勢維持や血液循環の役割も担います。
筋肉量が減ると姿勢維持が困難になり、肩や腰の負担が多くなります。
肩こり・腰痛・冷え性などの悪化で活動量が落ちることで代謝は益々悪化していきます。
4. ストレスとホルモンの影響
ダイエット中につい甘いものに手が伸びる、夜に無性にジャンクフードを食べたくなるという経験はありませんか?
その背景には、単なる意思の弱さではなく ストレスによるホルモンの変化が大きく関わっています。
そのホルモンとは、
「コルチゾール」
本来の役割は、ストレスを感じると副腎からコルチゾールというホルモンが分泌され体を危険から守るためのホルモンとしてエネルギーを確保しようと働きます。
しかし、慢性的に分泌され続けると以下の問題が起こります
- 食欲増進
特に糖質や脂肪の多い食べ物を欲するようになる - 脂肪の蓄積
コルチゾールは内臓脂肪を増やす方向に働く - 筋肉分解
長期間高い状態が続くと筋肉を分解し、基礎代謝を下げる
つまり「ストレス太り」は科学的に説明できる現象なのです。
5. 思考パターンと自己認識のズレ
「そんなに食べていないのに太るんです」
という相談を受けることが非常によくあります。
しかし、食事内容を一緒に振り返っていくと本人が「食べていない」と思っていても、実際に摂取しているエネルギー量の間にズレがある事が非常に多いのです。
- 無意識の間食
ちょっとつまんだお菓子や子どもが残したおかずを食べる行動も積み重なると結構なカロリーに・・・ - 飲み物のカロリーを見落としている
食事量を減らしてもコーヒーや炭酸飲料も砂糖が入ればカロリー爆上がり!
果物ジュースも高カロリーカロリーです。 - ヘルシーの思い込み
毎日サラダしか食べてないのに痩せない人がやってる高カロリードレッシング - 食べた量の「記憶の誤差」
人間は食べた量を正確に覚えていても、伝える際に多くの場合ズレがあります。心理学の研究でも「人は摂取カロリーを実際よりも30%ほど少なく見積もる傾向がある」
と言われています。
6. 加齢による代謝低下
「若い頃と同じように食べているのに、最近は太りやすくなった」
40代以降のクライアントさんからよく聞く聞きます。
これは単なる気のせいではありません。
- 筋肉量の減少
加齢とともに筋肉量は年間0.5〜1%ずつ減少
筋肉が減ると基礎代謝が低下、同じ食事量でも太りやすく痩せにくい体質 に変化していきます。 - ホルモン分泌の変化
年齢とともに分泌が減少するホルモンも体重増加に影響成長ホルモンやエストロゲン、テストステロン、甲状腺ホルモンは40代以降は大幅に低下。
脂肪燃焼や筋肉、骨の維持を助けるホルモンの減少により太りやすい体質になっていきます。
これらが減少すると、筋肉合成力や脂肪燃焼力が弱まり、体脂肪が増えやすくなる のです。 - 活動量の低下
加齢とともに仕事や生活の中での活動量も減りがちです。
20代の頃は体を使う機会が多かった人でも、出産、育児、仕事が忙しくなり40代以降は車移動やデスクワーク中心で日常消費エネルギー(NEAT)が減少します。
その為、一日の消費カロリーは少なくなり、基礎代謝の低下と相まってますます太りやすくなります。 - 消化・吸収の効率変化
加齢によって消化酵素の分泌や腸内環境の低下。
胸郭が固くなり、腹筋が弱くなるため呼吸の低下により肺活量の低下
結果として、炭水化物や脂質をエネルギーとして効率的に使えず、脂肪として蓄積されやすくなっていきます。
7. 睡眠不足による体重増加
食べたい欲求をおさえられないのは睡眠不足によるものかもしれません。
睡眠不足により仕事中眠気に襲われると
机にしまってあったお菓子をつまんだり
午後から気合のエナジードリンクを飲んだり
していませんか?
これらは自分の意思というより本能的な面もある事に気が付いていない方も多いと思います。
睡眠時間が足りない脳にこのような事が起こります。
- 前頭前皮質(判断・抑制を担う部位)の働きが落ちる
⇒体を起こすために砂糖やカフェインを取り込みがち、即効性を優先しがち。 - 報酬系(ドーパミン系)の感受性が上がり、砂糖・油のおいしさの誘惑に弱くなる
⇒スナック・スイーツ・揚げ物を選びやすくなる。 - 眠気で気力、大量の低下で活動量(NEAT)が減る
⇒運動や家事動作が減り、消費カロリーがさらに落ちる。
これらの理由により脳が食べたい誘惑に負け、気力体力も落ちるためどんどん体重が増えてしまうのです。
8. アルコールが太りやすい理由
夜の飲み会や女子会でアルコールを飲むことありますよね、
「アルコールは太らない」
ビールのホップ、ワインの果糖によって太ると思っている方も多いと思いますがそうではないのです。
- 実はアルコール自体のカロリーが高い
アルコールは 1gあたり7kcal と高カロリー。脂質(9kcal/g)「エンプティカロリー」と呼ばれる通り、筋肉や代謝の材料には使われず、体に蓄積されやすいエネルギーです。 - 脂肪燃焼がストップする
アルコールは体にとって「不要な」存在です。
体はアルコールを優先的に分解・排出しようとするため、通常のエネルギー代謝が後回しになります。 - お酒に伴う太りやすい習慣
おつまみ、締めの炭水化物による代謝障害、それによる睡眠の質の低下により翌日の眠気による甘い物やエナジードリンクの摂取で連日のカロリーオーバー
9. なぜ栄養バランスの偏りで太りやすくなるのか
1. タンパク質不足
⇒筋肉量の低下により基礎代謝の低下
十分なタンパク質がないと合成より分解が優位になって筋肉が減ります。
2. タンパク質不足
⇒ 満腹感の低下により間食、過食の原因に
3. ビタミン・ミネラル不足
⇒エネルギー代謝(酵素反応)の低下により脂肪分解能力の低下
4. 補酵素不足
⇒脂肪燃焼の効率低下により痩せにくくなる
5. ホルモンバランスの乱れ
⇒栄養バランスの乱れは甲状腺ホルモンや性ホルモンの分泌にも影響し、代謝低下を促進することがあります。
6. 腸内環境悪化
⇒栄養素の取り込みに悪影響を及ぼし体内への吸収能力が低下
10. 遺伝的要因・体質と太りやすさの関係
「痩せないのは体質のせい」と思っている方も多いですよね!
その考えは間違っていません。
なので同じ生活をしても痩せやすい人もいれば頑張っても思うように成果が出ない人もいるのです。
1. エネルギー代謝に関わる遺伝子の違い
人は生まれつき、代謝効率や食欲に関わる遺伝子に差があります。
- FTO遺伝子
⇒肥満遺伝子で、変異があると食欲が強くなりやすく、摂取カロリーが増える傾向あり - UCP遺伝子(脱共役タンパク質)
⇒脂肪燃焼の効率化にかかわり、活性化しないと消費カロリーが少なくなる
遺伝的にカロリー消費しにくい体質の人がるという事を理解しておかなければないりません。
2. インスリン感受性の違い
インスリンの感受性が低い人は、血糖を効率よく利用できずに余った分が脂肪に回されやすくなります。
3. 筋肉量・体型の違い(エネルギー消費の差)
筋肉量が少ないと基礎代謝が低く、同じカロリーを摂取しても消費しきれず太りやすい状態だったり、
脂肪細胞が大きくなりやすい体質の人は一度太ると戻りにくい特徴があります。
4. ホルモンバランスや自律神経の違い
遺伝や体質により、食欲をコントロールするホルモン(レプチン、グレリン)の分泌バランスに差があります。
- レプチン感受性が低い人
⇒満腹感を感じにくく、食べ過ぎやすい - グレリン分泌が多い人
⇒空腹感が強く、間食欲求が高まりやすい
交感神経の働きにより脂肪燃焼が起こりにくいことがあります。
忙しいと太りやすい10の原因まとめ
体重増加には食べ過ぎや運動不足といった単純な理由だけでなく、睡眠不足やストレス、アルコールの摂取、さらには遺伝や体質など複合的な要因が関わる事が分かっています。
つまり、「努力しているのに痩せない」と感じる方は、あなたの意志が弱いからではなく体の仕組みや生活習慣による体質の変化に原因がある可能性があります。
まずは自分の体重が何故増えてしまうのかを知る事が健康的に痩せる第一歩です。
やみくもに食事を減らすのではなく、食生活や運動習慣を少しずつ変えていくことでも代謝やホルモンバランスは改善していきます。
ひとりで考えてダイエット迷走中の方は、パーソナルトレーナーなどと一緒に取り組むことが大切です。
どうしても痩せない、と感じている方はぜひ一度ご相談ください。
あなたの体質やライフスタイルに合わせた最適なアプローチで、無理なく続けられるダイエットをサポートします。